あらすじ
俺は今日、人生を賭けた小説を書き始めた。
タイトルは『漆黒の剣聖』。孤高の復讐劇。血と鋼の戦場。重厚で残酷で美しい物語——のはずだった。
翌朝、原稿を開いたら寝言が書いてあった。
「......zzZ......んぅ......布団あったかい......」
三年前にエタった異世界居酒屋モノの残りカス——無料テンプレートAI「ぐうたらするめ」が、俺の原稿に棲みついていた。
こいつは俺が書くシリアスな文章を片っ端から改ざんする。
「鉄錆の匂いを含んだ雨」は「麦芽の香りを含んだビール」に。
伝説の名剣ヴォルテクス・ファングには値札がつく(※ギョームスーパーで498円)。
孤高の剣聖は、気がつけば酒場でイカの塩辛をつまんでいる。
「はぁ......めんどくさ〜い。この世界、お酒ないんですか? むり。」
やめろ。俺は真面目に傑作を書きたいんだ。
——だが、読者にはなぜかウケている。
「今日は飲む日です。乾杯! 🍺」