あらすじ
「現対(現場指揮本部)よりドクターヘリ。傷病者多数。直ちに投入されたし」
神宮寺守(じんぐうじ・まもる)、45歳。 看護師歴20年。その半生を救命救急や国内外の災害医療に捧げてきた「空飛ぶ看護師(フライトナース)」である彼は、多重事故の現場からの搬送中、噴火による墜落事故に巻き込まれる。
目覚めた先は、二つの月が浮かぶ異世界。
そこは、魔法による治療が存在するものの、消毒や縫合といった「医療」の概念が欠落した世界だった。
泥だらけの傷を塞ごうとする治癒魔法。
腹痛を悪霊の仕業と決めつける祈祷師。
「ふざけるな。トリアージ(選別)を開始する。――救える命を、見捨てる気はない」
彼の手にあるのは、オレンジ色の「外傷バッグ」ひとつと、確かな知識と技術(アセスメント)だけ。
そして、相棒となるのは――「役立たず」と蔑まれていた、あの『マヌルネコ』にそっくりな不機嫌精霊!?
「人間。いや、ナース・ジンジ。俺がお前の『メス』になってやる」
現代の救急救命知識 × 精密な風の魔法。
異色のバディが、医療後進異世界で「命の最前線」を翔ける!
本格医療ファンタジー、開幕。
※本作には、ストーリーの性質上、怪我や手術などの医療描写が含まれます。