あらすじ
都内の大学に通う青年・アオイは、軽音サークルの新歓コンパで、酒に弱い新入生の少女・李生(ユキ)を介抱し、駅まで送る。そのまま流れで部屋まで送り届け、二人は関係を持つ。
はじまりは偶然だったが、逢瀬は重なり、ユキは「初めての彼氏」に浮かれていく。一方のアオイは、どこか距離を保ったまま、曖昧な優しさだけを差し出していた。
ある日、デートの最中、アオイは尾骨や肩甲骨の話から、人間にはかつて尻尾や翼があったのではないかという与太話をする。翼と尻尾を持つ存在――悪魔。人は悪魔の子孫かもしれない、と冗談めかして語るアオイの言葉は、ユキの心に奇妙な影を落とす。
自分の名前をまだ告げていなかったことに気づいたユキは、「ユキ」と名乗り、漢字では「悠来」だと伝える。その名を聞いた瞬間、アオイは明らかに動揺する。
やがてユキは尋ねる。「私、いい彼女できてる?」
返ってきたのは、「彼女じゃない」という冷たい答えだった。
傷ついたユキは、アオイの眠る隙にスマートフォンを覗き、写真フォルダの奥に一人の可憐な少女を見つける。アオイは彼女を「失ってしまった天使」だと語り、代わりにはなれないとユキを拒絶する。アオイには、ユキのような存在が他にもいたが、そこに“天使”はいなかった。
そんな夜、アオイはこの世に存在しないはずの巨大な狼に襲われる。命の危機を救ったのは、シザキと名乗る青年だった。テレポート能力を持つ彼は、アオイもまた能力者であり、異能を持つ人間を集め、監視する組織に属していると告げる。
会員制バー〈ハーフダーク〉で、アオイは知る。
青い年のままに生きる、超常の力を持った彼らのことを――――