あらすじ
「先生、卒業してもずっと私の先生でいてくれる?」
窓の外にはどこまでも透き通ったコバルトブルーの海。
潮騒がチャイムの代わりを務める、離島・青島小学校。
そこにあるのは、たった一つの机と、たった一人の教え子・結衣(ゆい)だけ。
赴任して三年。教師を天職だと信じるあかりは、来春の廃校を前に、最後の一人である結衣を最高の笑顔で送り出すと心に決めていた。
島の人々に愛され、家族のように過ごす、宝石のようにきらめく毎日。
しかし、カレンダーの数字が減っていくにつれ、あかりの胸には言いようのない不安が募っていく。
卒業は、終わりなのか、それとも始まりなのか。
刻一刻と迫る三月。
逃れられない運命の足音が、静かに、けれど確実に二人の元へと近づいていた。
当たり前だと思っていた日常が、どれほど脆く、尊いものだったのか。
卒業式の朝、誰もいない教室で、あかりが最後の一人のために捧げた『最期の授業』とは――。
これは、一人の教師と一人の教え子が紡いだ、もっとも切なくて温かい「別れ」の物語。