あらすじ
下総国羽白村には、百姓の豊右衛門という男がいる。一人娘のあやめはしかし、容姿が悪く村民からも疎まれるという孤独な状況。そのため豊右衛門は、後継ぎに苦悩していた。
ある日、あやめは道端で倒れていた男を見つけると、家に連れ帰り介抱をしてやる。
元気を取り戻した男は、名を助五郎といい、行く当てもないのだと。そこであやめ、家の手伝いをしてもらうのはどうかと、豊右衛門に進言す。豊右衛門はこれを承諾した。
助五郎はというと、口達者で人との距離を詰めるのもうまいから、村にはあっという間に馴染んでゆく。
今まで村で疎まれていたあやめも、助五郎を通して村の者らと接点が生まれていった。
やがて二人は祝言をあげることとなり、これにて順風満帆……かと思われた。
しかし直後に豊右衛門は病で他界。それをきっかけに、助五郎の化けの皮が剥がれてゆく。仕事をほったらかして遊ぶようになってしまうのだった。
それでもあやめは彼を一途に思い、とうとう嫌いにはなれないでいる。
しかし、助五郎の頭には財産のことしかない。豊右衛門亡き後、あやめは邪魔な存在だった。
とうとう助五郎は、鬼怒川であやめを惨殺。のちに新しい嫁をもらって暮らしてゆくのだったが、身籠った嫁が産んだものは、驚くことに赤子にあらず。
あやめの怨念、狂気の幕開けであった……