あらすじ
見合いで決められてしまった運命から逃げ出してきた澄香は、路地裏でならず者に絡まれてしまう。そんな彼女を助けたのは銀色の着物を纏った呉服屋の若旦那、銀河だった。行くあての無い澄香は銀河の呉服屋に身を寄せることに。
冷たくて無表情で言葉足らずで、少し口の悪い銀河。なぜかそんな銀河に惹かれていく澄香。銀河もまた、澄香に惹かれていく。酔った銀河は自分の着物からほつれた糸を澄香の指にそっと巻き付ける。そして、自分たちは現実的には結ばれない運命であることを澄香に突き付ける。
翌日、澄香と銀河は、銀紙に包まれた異国の甘薬(チョコレート)を味わう。銀紙に包まれた苦くて甘いそれはまるで銀河のようだった。そして澄香は決心する。
1本の銀の糸くずが紡ぐ、江戸史上最も美しく冷たい光で包まれた、温かい運命のラブストーリー。