あらすじ
「クリアされたら、サーバーごと世界を壊す」
そんな運営の悪ノリで生み出された、攻略不能の最強NPC――門番のアーク。
「挑戦者のレベル+1」という理不尽なステータスと、攻撃を受けるたびにラグを発生させるチートスキルを武器に、彼は数万人のプレイヤーを絶望の底に沈めてきた。
しかし、数年に及ぶ死闘の末、一人の狂ったプレイヤーが放った「システムを破壊する一撃」によって、ついに絶対の門はこじ開けられる。
サーバーの崩壊。世界の終焉。
データの塵となって消えるはずだったアークが次に目覚めたのは、生々しい排気ガスの匂いが漂う現代・新宿の路地裏だった。
「……ここが、外か」
枷(スクリプト)から解放され、初めて自由を手にしたアーク。
だが、その視界には、かつてのゲーム時代よりも冷徹な、未知のシステムメッセージが浮かび上がる。
>>第二階層[Reality]に接続されました。
>>これより、世界(ハコニワ)のデバッグを開始します。
そこは、上位存在によって管理された、さらなる「箱庭」だった。
バラバラに現実へと散った元NPCたち。現代社会に馴染む者、力を振るい暴走する者。
そして、この世界さえも「バグ」として消去しようとする真の運営。
運営の悪ノリで作られた最強の門番は、今度こそ自分の意志で、大切な居場所(セーブデータ)を守るために立ち上がる。