あらすじ

間もなく自分がこの世の生を終えることを、静かに理解した。 絶望が深すぎると、俯瞰の境地に至るのだろう。 死を前にして思ったのは、そんな聖人や哲学者のようなことだった。 悔やまれるのは、この身籠ったばかりの子を道連れにしなければならないことか。 だがすぐに、そうでもないと思い直した。 こんな世界にこの子を一人、残してなんて行かれない。一緒に連れて行きましょう。 私もこの子の跡形もなく消えたなら、貴方はそれを喜ばしく思うのかしら。 夫のことを、愛しすぎてしまったのだろう。 もっと貴族の女らしく、堂々と自分の道を通せば良かった。 「ごめんなさい。私の子」 心の中でまだ見ぬ我が子を抱き締めて、闇の底に沈んでいった。そうして命を閉じた。 という幻想を見たのは、母の再婚先の邸宅を訪れたときのことだった。 どうやらその幻想とは、ジャクリーンの前世のことらしい。 ❇こちらの作品は、他サイトにも別名義で先行投稿致しております。

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カクヨム
カクヨム2026/02/15
  • 現在の作品今度の貴方はどうなのかしら。—ジャクリーンの選択—