あらすじ
魔法は「世界の魔力」の前借りに過ぎない。使えば必ず「代償」が発生する。アステリア王国の聖女リゼットは、王族たちが浪費する魔法のツケを、5年間たった一人で背負い続けてきた。
しかし、その献身は「無能」という評価で踏みにじられる。「お前の代わりなどいくらでもいる」 王子に捨てられたリゼットは、笑顔で契約を打ち切り、隣国エルディアへと向かう。
そこで待っていたのは、無駄を嫌い、真実の価値を見抜く賢王アルリックとの出会いだった。「君の力を我が国のために使わないか? 聖女としてではなく、この国の魔力循環を司るパートナーとして」
リゼットの【魔力会計】によって、隣国の国力は爆発的に上昇。美味しい食事と王の深い愛(投資)を受け、リゼットはかつてないほどの輝きを放ち始める。一方、リゼットを失った旧王国は、蓄積された魔法的負債によって崩壊の危機に瀕していた。焦った王子から「側妃にしてやるから戻れ」という不敬な親書が届くが、リゼットは赤ペンを手に取り、冷徹に添削を開始する。
「お言葉ですが、期限の切れた債権の履行要求は法的根拠がありません」
これは、数字を侮った愚者たちが没落し、一人の会計士が真の幸福を勝ち取るまでの物語。