あらすじ
数年前、地球に降り注いだ未知の物質「物体X」。
それは大気圏で燃え尽きることなく地表へと突き刺さり、接触した人間の肉体を内側から焼き、血液を異質のエネルギーへと再定義していった。
大多数が死に至る中、極稀にその侵食に適合した者たちは『血壊種(ブラッド・イーター)』と呼ばれ、己の血を媒介に物理法則を書き換える超常の力を手にする。
そんな終末の気配が漂う日常の中で、高校生・天城透(あまぎ とおる)は、世界滅亡よりも重大な局面を迎えていた。
「放課後、屋上に来てください」
送り主は学園の至宝、西園寺詩音。
人生最大のモテ期に浮かれ、透が屋上で彼女の告白を受け入れた……その0.5秒後。
空から飛来した「物体X」の巨大な欠片が、透の左胸を無慈悲に貫いた。
心臓は砕け、肺は裂け、鮮血が舞う。
だが、透は意識が遠のく中で確信していた。
「ここで死んだら、せっかくの彼女が台無しだ」と。
数日後、病院のベッドで目覚めた透の胸には、脈打つ黒い結晶が埋まっていた。
物体Xと最高純度で適合し、人類最強の異能を手に入れてしまった少年。しかし、当の本人には「世界を救う」なんて高尚な志は1ミリもなかった。
「適合者? 血壊種? 知るかよ。俺は西園寺さんとデートしなきゃならないんだ!」
内なる物体Xの冷徹な声をポジティブさで黙らせ、迫り来る真の侵略者『同胞(キンスメン)』すらも迎え撃つ。
世界一おめでたい適合者による、血と愛と勘違いの終末サバイバルが幕を開ける!