あらすじ

俺は死んだ。過労で。 心残りはひとつだけ。10万字でエタらせた自作の異世界小説『黄昏の方程式』。 一番愛したキャラクター、騎士アルトを殺す以外のエンディングが、どうしても書けなかった。それが、筆を折った理由だった。 ――目を覚ますと、俺がアルトになっていた。 この世界には「均衡律」がある。幸福と不幸の総量は常に釣り合い、誰かを救えば、その分の不幸が別の誰かに降りかかる。自分が作った設定だ。その残酷さは、誰よりも知っている。 だから俺は決めた。すべての不幸を俺一人に集めれば、ヒロインたちは全員幸せになれる。嫌われ役を演じ、仲間を突き放し、裏で均衡律の「借金」を肩代わりする。身体は壊れ、記憶は欠けていく。それでいい。かつて俺が生み出したキャラクターたちの笑顔を守ること。それが、エタらせた作者の最後の責任だ。 だが、ヒロインたちは作者の想定を超えてきた。 聖女は、自分の「聖女の資格」を返還し始めた。 剣姫は、均衡律ごと壊すために命を賭け始めた。 魔術師は、この世界に「作者」がいることに辿り着いた。 「お前が幸せになる結末を、お前自身が書けなかっただけだろう」 全員が全員のために壊れていく。 エタった物語が、作者ごと書き換えられる――相互犠牲の異世界ファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/02/15
  • 現在の作品エタった自作小説の主人公に転生したが、俺が死ぬ以外のエンディングを書けなかったのでこの命で完結させる ~「あなたが書かなかった結末を、私たちが書き換える」と、ヒロイン全員が自分を犠牲にし始めた~