あらすじ
ブラック企業の経理部で12年、 ひたすら節税と経費削減に命を燃やした男、 灰谷蓮(はいたに・れん)。
過労死した彼が目覚めたのは、 剣と魔法の世界で最も存在感のない爵位 ――「準男爵」家の三男坊だった。
領地は猫の額。税収は雀の涙。 家名の格は貴族の最底辺。
だが、蓮には「魔力」の代わりに 【帳簿眼(レジスター・アイ)】 という 万物の価値と流れを数値で視る力が宿っていた。
「この魔石、二重課税されてないか?」 「国庫の魔力予算、三割は中抜きだろこれ」
節税のつもりで弄った数字が、 腐敗貴族の不正を暴き、 国家予算の闇をえぐり出す。
本人はただ「帳簿を綺麗にしたい」だけなのに、 王族からは天才財政家と崇められ、 大商会からは守護神と拝まれ、 敵対貴族からは「数字の暗殺者(ナンバーズ・リーパー)」と 恐れられ始めて――
「いや、俺はただの端役なんだが?」
帳簿から始まる、 史上最も地味で最も厄介な成り上がり譚、開幕。