あらすじ
千年以上を生きるエルフ、リリアーナ。
彼女には、所々欠けた「前の人生」の記憶がある。
それは名前や顔すら曖昧な、ただの残滓だった。
森で出会った人間の夫婦とその娘。
優しく、静かで、温かな日々。
——その全ては、魔獣によって奪われる。
家族同然だった三人の死をきっかけに、リリアーナは闇堕ちし“フォーレンエルフ”となった。
黒髪赤眼となった彼女は知る。
この国の魔獣は自然の存在では無く、人の手によって操られていたという違和感に。
何故か裏道を知っていた。
何故が闇ギルドを恐れなった。
理由は分からない。ただ、身体が覚えていた。
神に祈る気は無い。
救いも、赦しも求めない。
これは、愛する者を失ったエルフが、静かに、確実に復讐へと向かう物語。
そして、救われない恋を選んだ、ひとりの少女の物語。