あらすじ

恋人の家から帰るため、僕は最終バスに乗った。 終点まで乗れば最寄り駅に着く――それだけのはずだった。 客のいない車内、親切な運転手、読めない停留所名。うとうとするうち、いつの間にか座席は満席になり、誰も「乗ってきた」記憶はない。 やがて終点に着き、確かに降りたはずなのに、時計は再び二十時三十分を指している。手元には一枚の紙があり、そこには 「この文章を読んでいる僕は、最終バスに乗っている」と書かれていた。 読み進めるほどに、物語はバスの怪異であると同時に、読む行為そのものを“乗車”として記録する装置へと変質していく。最後の一文に辿り着いた瞬間、冒頭の意味は反転し、読者自身が名簿に記された「乗客」であったことが明らかになる。 円環構造によって、読み終えたはずの読者は再び最初の一文へと戻される――終わらない最終バスの物語。

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エブリスタ
エブリスタ2026/02/04
  • 現在の作品最終バス乗車記録