あらすじ
県立高校の図書室。貸し出しカウンターの特等席で、左沢 栞(あてらざわ しおり)は今日も深い静寂の中にいた。
彼女の望みはただ一つ。「誰にも邪魔されず、物語の海に沈むこと」。しかし、その平穏は、図書室の扉を遠慮なく開ける足音によって、いつも唐突に断ち切られる。
現れたのは、同級生の右京 奈月(うきょう なつき)。
「全体幸福」をモットーに掲げ、校内のあらゆる厄介ごとを拾い集めて、栞を巻き込んでくる。
「本を閉じたのは、人助けのためじゃない。早く続きを読みたいからよ。」
しおりが挟まれたそのページから、二人の物語が動き出す。