あらすじ
20歳の青年ユウキは、国家と人々の知恵で犠牲を最小限に秩序を築く「構築派」の信念を胸に生きていた。
しかし、街を襲う連続テロの瓦礫と煙の中で、彼の前に現れたのは崩壊派の指導者ハヤト。「破壊なくして再生はない」――犠牲を厭わず社会を根底から再構築する彼の正義に、ユウキの価値観は揺らぎ始める。 SNSの思想戦、政治の腐敗、家族内の対立……日常のあらゆる場所で正義の境界が曖昧になり、市民は「どちらにも一理ある」と感じ始める。
やがてユウキの手に渡るのは、痛みと精神負荷を代償に世界を再生させる「ヘパイストスの槌」。対するハヤトは、失われたものを二度と戻さない「アダマスの鎌」を握る。 思想の衝突は都市規模の戦闘へ、そして過去の文明滅亡と重なる歴史の循環が明らかになる。
クライマックスで両者の信念は極端化し、怪物のように暴走。最終決戦は戦闘・心理・哲学が交錯する究極の対峙となる。 ユウキは選ぶのか、何も選ばないのか。
国家は変わらず、市民は変わる――。
正義とは何か。答えは提示されない。読者自身が、その余白の中で問い続ける