あらすじ
放課後の化学準備室。
そこは、校内で唯一“嘘の匂い”を嗅ぎ分けられる少女――
調香探偵・白檀薫のアトリエだった。
天才的な嗅覚を持つ彼女は、人間の感情を“香り”として識別できる。
緊張はアンモニアの刺激臭、嫉妬は焦げた砂糖、恋は甘い紅茶の残り香。
そんな彼女の助手に任命されたのは、平凡な一年生・日向創。
ある日、美術室で起きた“完全密室の絵画消失事件”。
消えたのはコンクール出展予定の『赤い林檎』。
現場に残っていたのは、シナモンと――
ほんの少しの、優しさの匂い。
これは、嘘を暴く物語ではない。
本当の気持ちを、見つける物語。