あらすじ
「アストライア、貴様との婚約を破棄する!」
第一王子アドニスの言葉に、アストライアは内心でガッツポーズした。
代々、無能な王家に代わって政務を司ってきたオズワルド公爵家。その愛娘であるアストライアにとって、この国は「維持コストばかりかさむ不良債権」でしかなかった。
「承知いたしました。では、これまでの投資額を精算し、この国を『正当な市場価格』で買い取らせていただきます」
彼女がその場で売却先として呼び込んだのは、大陸最強の軍事力を誇るイグナーツ皇国の皇太子ヴァレリアン。
さらに、王子の隣で震えていた「悲劇のヒロイン」がカツラを脱ぎ捨てれば、正体は皇国の極悪非道な諜報官シリルだった。
「さあ、査定の時間です。無能な王族も、腐敗した貴族も、すべて一銅貨の価値も残さず清算して差し上げますわ」
自分を「閉じ込めて独占したい」皇太子と、自分に「踏みつけられ使い潰されたい」側近。
二人の異常な執着をリソース(経営資源)として乗りこなし、アストライアは灰燼に帰した王国の跡地に、新たな帝国を築き上げていく。