あらすじ
リバプールの静かな住宅街。コーディー・トーマス・スチュアートは、朝目覚めるたびに「自分」を失っている。
アルツハイマーを患う彼に残されたのは、自分のフルネームと、机の上に置かれた「見知らぬ美しい女性」の古い写真だけ。
「この人を、探さなければならない」
昨日の自分が日記に記したその一行を頼りに、コーディーは霧の街へと踏み出す。
500字程度の短い日記に刻まれるのは、消えゆく記憶の断片と、写真の女性へと続く微かな足跡。
すべてを忘れるのが先か、彼女に辿り着くのが先か。
これは、一人の男が「最後の一文字」まで自分であり続けようとする、切なくも美しい追跡劇。