あらすじ
王立学園の卒業記念舞踏会。
第一王子フレデリックによる、公爵令嬢アナスタシアへの理不尽な「断罪」が始まった。
しかし、王子は知らなかった。
そこに立っているのは、かつて女子ボディビルの頂点を極め、不確かな「運命」を拒絶して自らの「細胞」のみを信じた一人の転生者であることを。
「わたくし、嫌がらせをするリソース(時間)などございませんわ。――深夜二時からはデッドリフトの時間ですもの」
断罪という名のシナリオを破壊するため、彼女が十年の歳月を費やして積み上げてきたもの。それは陰謀を跳ね返す知略ではなく、あらゆる事象を無効化する「鋼鉄の肉鎧」だった。
ミスリル製のダンベルで広背筋を研ぎ澄まし、魔法銀の防具を筋肉の膨張(パンプ)だけで粉砕する。
王家の精鋭も、常識外れの魔法騎士団も、彼女が体現する「物理の真理」の前では等しく無力と化す。
ありふれた悪役令嬢の物語は、彼女のバルクが咆哮する瞬間に幕を閉じる。
これは、圧倒的な密度で世界を「わからせる」、一人の令嬢によるマッスル・ファンタジーの決定版。
「お黙りなさい。……おしゃべりは、プロテインを飲んでからにして差し上げますわ」