あらすじ
母の最期を前に、少年は叫んだ。
「幸せだったわけないだろ」と。
――それが、彼の人生を変える問いの始まりだった。
五年後。
作業療法士を目指し大学に入学した朝倉悠叶は、自分が何をしたいのかも、なぜこの道を選んだのかも分からないまま、ただ流されるように日々を過ごしていた。
人と距離を置き、過去からも目を背け続ける彼の前に現れたのは、静かで優しく、どこか儚い雰囲気を持つ同級生――白石ひより。
彼女との出会いをきっかけに、悠叶は少しずつ「支えること」の意味を知っていく。
それは、誰かの人生に寄り添うということ。そして、自分自身の過去と向き合うということだった。
やがて彼は気づく。母の死に対して抱いていた誤解、そして父が背負っていた本当の想いに。
これは、誰かを支えることで、自分もまた救われていく――
“愛の形”を見つけていく物語。