あらすじ
僕は虫を二匹飼っていた
人はそれを父と母と呼んだ
羽音が聞こえるたび頭が真っ白になる
怒鳴り声 嘲笑 支配
虫の言うとおりに生きればうまくいくはずだった
でもいつも嫌な顔をされるのは僕のほうだった
やがて僕は守るために傷つける言葉を覚えた
死ね と口にしてしまう少年になる
これは被害の物語ではない
誰のせいにもできなかった少年が
はじめて自分でイエスと言い
距離を選び歩きはじめるまでの話
せめて普通の人のようにうまく産まれてこれたらよかった
それでも僕は歩く
(ノベルデイズに投稿した作品を改稿しました)