あらすじ
祈るたびに寿命が縮まる「真の聖女」アリア。
彼女の祈りは、国を救い、人々を癒やし、戦を終わらせる奇跡をもたらす――だがその代償は、彼女自身の命だった。
アリアを誰よりも愛する第一王子レオンは、彼女の祈りが一つ捧げられるごとに、確実に死へ近づいていることを知る。
王子は決意する。
――国を滅ぼしてでも、聖女の力を失わせる。
聖女の力は「民の信仰」によって成立する。
ならば信仰を壊せばいい。王政を転覆させ、宗教を焼き払い、国という器そのものを砕けば、彼女はただの少女に戻る。
だが、アリアはそれを拒絶する。
自らの犠牲こそが聖性であり、祈りこそが存在理由。
彼女にとって王子の献身は、「聖なる完成」を汚す雑音でしかなかった。
救いたい男。
救われたくない女。
純愛は、やがて狂気へと反転する。
美しく死にたい聖女と、醜くても生かしたい王子。
これは――愛が最も残酷な形に変わる瞬間の物語。