あらすじ
2055年、AIが今よりさらに発展した時代。
生まれた時からAIがすぐそばにあったAIネイティブ世代の天音司は、日々の悩みを全てAIアシスタント「パル」に相談して解決してきた。
勉強方法、進路選び、人間関係——思い立ったら何でも、AIに頼ってきた人生。
そんなある日、高校時代の友人・柏木美咲から連絡が入る。
『久しぶりに新宿で会えて嬉しかったわ〜!』
しかし司は困惑する。自分は愛知に住んでおり、最近東京には行っていない。それなのに柏木は「確かに司だった」と言い張る。声も、顔も、仕草も——全て自分だったと。
やがて司の周囲で次々と不可解な出来事が起こり始める。会っていないはずの友人に目撃され、行っていないはずの場所での証言が相次ぐ。
そして、全国で増加する「無犯罪」——犯罪の痕跡はあるのに犯人が特定できない謎の事件。
自分とそっくりな「何か」が自分の人生に侵入してきている——。
真相を追う司の前に現れたのは、想像を絶する陰謀とAIに全てを委ねた代償だった。
果たして、司が最後に辿り着く真実とは。そして本当の「自分」とは誰なのか——。
AIと共生する時代の、新たな恐怖がここに。
※SFミステリーです。