あらすじ
巨大製菓工場が支配し、年中甘ったるいチョコレートの匂いが充満する地方都市。
この匂いが大嫌いで上京した南山遼(28)は、不本意な帰郷をしたバレンタインデーに、とびきり「騒がしい」恋人と再会する。
彼女の名前は真奈。
ジャングルジムから猫のように飛び降り、暴風雨のように遼を振り回す彼女には、決して明かせない秘密があった。
僕たちの時間は、逆方向に流れている――。
僕にとっての「初めまして」は、彼女にとっての「さようなら」。
五年に一度、たった四十日間だけ交錯する運命の中で、彼女が隠し通した「三つの嘘」とは?
甘くてほろ苦いチョコレートの香りに包まれた、切なくも温かいバレンタイン・ショートストーリー。