あらすじ

「オーイ! オーイ。おーい……」 声は掠れ、濁り、豪雨に叩き潰されて消えていく。喉がひりつき、胸の奥が縮み、おれはそのまま泣きたくなった。 おれの人生はどん詰まりだ。弱り目に祟り目とはよく言ったもので、弱った者をいたぶるのはなにも人間に限った話じゃないらしい。今まさに、その事実を全身で思い知らされている。 山で遭難した挙句に、この容赦のない土砂降り。視界は真っ白に泡立ち、もともと当てにならなかった方向感覚は、完膚なきまでにぶっ壊された。きっと神が上からションベンしているんだ。子供が蟻の巣に水を流し込むみたいに。

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小説を読もう2026/02/14
  • 現在の作品熊撃ち :約3000文字