あらすじ
「もう、あなたと一緒にいる理由がなくなりました」
国家の魔力供給を支える『魔導農園』の管理者、レイン。
だが、准巫女として権力を得た婚約者のリリアは、彼を「土いじりしかできない無能」と切り捨て、婚約を破棄した。
「泥まみれのあなたと歩む未来は、私には重荷すぎるのです」
静かに農園を去るレイン。だが、誰も知らなかった。
彼こそが、世界樹を通じて国家に魔力を送る**「唯一の心臓」**であったことを。
レインが去った瞬間、王国の魔導灯は瞬き、結界は揺らぎ、世界樹は光を失い始める。
一方、事情を知らないレインは、辺境の村で「ただの農夫」として平穏な旅を始めていた。
だが、世界の異変を察知した『世界樹の巫女』エリスだけは気づいてしまう。
「……どうして、この人の近くにいるだけで、世界樹が安定するの?」
国が枯渇の危機に陥り、力を失ったリリアが絶望する中、
無自覚な救世主は、世界で最も尊い巫女様に全力で囲い込まれていく。
「離しません。あなたが、私の……世界の、光だったのですね」
今さら戻ってこいと言われても、もう遅い。
隣には、俺を絶対に離してくれない巫女様がいるのだから。