あらすじ
地方都市で小さな書店を営む三姉妹と、売れない文豪志望の青年。
ある日、地震によって彼らは書店のエレベーターに閉じ込められる。
暗闇の中、不安を紛らわせるように青年は物語を語り始める。
それを誰よりも真剣に聞いていたのは、少しドジで、どこか人懐っこい三女だった。
やがて復旧したエレベーターの扉が開くと――そこは、モンスターたちが穏やかに暮らす異世界。
この世界では「物語」が命の糧。
物語が満ちていれば穏やかに、失われれば心を荒ませる。
しかし今、世界は静かに“物語不足”に陥っていた。
自分の才能を信じられない青年。
それでも三女は、彼の物語を「好き」と言う。
「あなたの言葉、あったかいよ」
その一言が、孤独だった青年の胸を揺らす。
彼の書く物語は、モンスターたちを癒し、世界を少しずつ変えていく。
だが同時に、三女の中に眠る“再生の力”が、この世界の秘密と深く結びついていることが明らかになっていく。
やがて青年は知る。
彼女を守るためには、自分が“本当の物語”を書かなければならないことを。
これは、言葉を失いかけた男が、ひとりの少女と出会い、愛と共に再生していく物語。