あらすじ
高校生の紬は、年に数回訪れる祖母の家で、叔母の由紀子と顔を合わせる。
彼岸の日。快活で仕事もできる叔母の由紀子が、庭先の小さな植木鉢を前にだけ、ふと別の表情を見せることに、紬は気づいた。
その花の名は「雪月花」。
三十年前、由紀子が学生時代に長野県白馬村のスキー場で出会い、持ち帰ったものだという。
夕飯後、由紀子は静かに語り始める。
吹雪で足止めされた雪山で過ごした、かけがえのない時間のこと。
何も起こらない日常の中で、人は何を大切に抱えて生きていくのか。
静かな時間の積み重なりを描いたヒューマンドラマ。
表紙:Canvaにて作成