あらすじ

「ねえ、中原。あの子とさ、どのくらい付き合ってたの?」 六月の金曜日、土砂降りの駅前。傘を持たない中原が出会ったのは、隣のクラスの住吉だった。接点も、話したことさえない。けれど中原は、彼女をよく知っていた。……正確には、彼女がかつて愛した「あの子」を通して。 二人の共通点は、同じ女と付き合っていたこと。中原はハルの「初めて」を知り、住吉はハルの「今」を知っている。 「優しい人」と評された中原と、「中原とは全然違う」と愛された住吉。カフェラテの苦みと、降り止まない雨の湿気の中で、二人は元カノという共通の亡霊を肴に、不器用なマウントと告白を繰り返す。 それは、過去への執着か。それとも、目の前の相手への熱なのか。 「あいつの代わりじゃない。……でも、あんたがあいつと同じ顔をするのが、たまらなく悔しい」 これは、一人の少女に傷つけられた二人が、痛みと恥ずかしさを抱えたまま、昨日を上書きしていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/02/13
  • 現在の作品元カノの「初めて」を奪った私と、「最後」を奪った君。