あらすじ
世界にとって、私はただのゲームのヒロインにすぎない。
けれど彼にとって、私は抹消されるべき“過ち”だった。
アリシアは、その結末を正確に知っている。
自分が恋愛ゲーム『スタarlight Romance』の主人公だと自覚している転生者として、彼女の人生はハッピーエンドへ辿り着くための筋書きをなぞるだけのものだった。
十七年にわたる準備。そのすべては、運命が逸れないようにするため。
だが、最初のイベントは完全に失敗した。
謎の赤髪の男が現れ、シナリオを乱し、王子を公衆の面前で侮辱し、そしてアリシアを見つめた。
琥珀色の瞳に、底知れぬ謎を宿して。
アリシアは確信する。
彼は、ゲームの中に存在しない。
一方その頃、別の物語の頁では、一人の鍛冶師が灰の中から回帰していた。
かつて養っていた子どもたちが焼き尽くされるのを目の当たりにし、後悔を残したまま死んだ男。
彼は、滅びへ向かう未来を修正するため、二度目の機会を与えられる。
「必ず、楽園を創ってみせる」
「楽園だと? それは第二の地獄の間違いじゃないのか」