あらすじ
一人前の戦士になれなかった少女カヤは、十六歳で奴隷身分に落とされた。
一度負ければ這い上がれない世界で無気力に過ごしていたが、主人と共に護衛の旅に出る。
それは危険な砂漠への旅で、旅の目的すらカヤには知らされていなかった。
依頼人の一人で魔法使いのジャジは、カヤに特殊な魔法の力があるのを見抜く。
それは数ある魔法の中で、存在しないはずの回復治癒魔法だ。
旅の目的にはカヤが必要だと言い、カヤの行く先を優しく導いてくれるジャジ。
だが砂漠で突然『アマルナ』と名乗る三人の魔法使いが現れ、カヤ以外の全員が惨殺されてしまう。
ジャジを殺したのは、大魔法使いと呼ばれるリザンだった。
そして最後の魔法でカヤを守ったジャジは、ある鍵をカヤへと託した。
「これは『森羅の鍵』。弟子のイスファルへ渡してほしい」
他に行く当てのないカヤは、ジャジの遺言通りに鍵師でジャジの娘のイスファルを訪ねる。
カヤが唯一回復治癒魔法を使えるように、イスファルもまた魔法と技術を融合させられる、天才鍵師だった。
二人はジャジの死の真相を探るため、旅立ちを決意する。
愛想はないが頼れる護衛のナジュム、コブトカゲの子トトと共に、アマルナへ立ち向かう砂漠の旅が始まるのだ。
旅を続けるうち、森羅とは古代に封じられた世界魔法であると知るカヤたち。
カヤの回復治癒魔法とともに、否が応にもアマルナと森羅の渦の中へと引き込まれていく。
アマルナは森羅を解放しようとしているのか、それとも別の目的があるのか。
大魔法使いリザンとカヴィル、そしてジャジとは何者なのか――。
秘められた過去の謎を解く、砂漠の壮大な冒険ファンタジー。
※『円環サンクチュアリ ~はじまりの魔法使いたち~』と繋がっていて、三十三年後の物語になります。
未読でも大丈夫ですが、読んでおくと「あーこの場面ね!」みたいな体験ができます。