あらすじ
「セレスティーナ。お前は辺境の別邸で暮らせ」
亡き母に代わり十年、伯爵家の領地経営も社交も一手に担ってきたセレスティーナは、父と継母、義妹に「華がない」と切り捨てられ、薔薇園の残る別邸へ追放される。
けれど、置き去りにされた庭と母の日記帳は、彼女に誇りの育て方を教えてくれた。さらに隣領の若き公爵レオンハルトは、追放のその日から彼女を見守っていたと言い、花と時間を差し出してくる。
一方、伯爵家では招待状が途絶え、契約が切れ、ついには公の場で失墜が始まった。
薔薇が咲き返る頃、セレスティーナは失った側ではなく選ぶ側になる──泣いて縋る父へ、ただ一言。「もう遅いのですよ、お父様」。