あらすじ

心が折れた。 折れたのに、生活は待ってくれない。 会社で「大丈夫」を繰り返し、終電を逃した夜。 元会社員の白瀬紡(しらせ つむぎ)は、駅にあるはずのない小道を見つけてしまう。 辿り着いたのは、森の奥の小さな店――看板には、こう書かれていた。 【処方箋を作ります】 店主ルカが淹れてくれた温かい飲み物と、たった一行の処方。 それを受け取った瞬間、胸の痛みがほどけていく。 けれど紡は知る。 処方箋は、ただ優しいだけの魔法じゃない。 誰かを治すたびに、紡はその痛みを少しだけ“肩代わり”してしまう。 さらに治療を重ねるほど、森の店との契約――「結び目」が増え、やがて外へ戻れなくなるかもしれない。 それでも紡は、今日も誰かのために処方箋を書く。 甘えん坊の森の妖精モコに温められながら。 過保護気味のルカに止められながら。 これは、疲れた心を治す物語。 そして――治す側の人が、ちゃんと自分の世界へ戻るための物語。 やがて紡は決める。 森の外へ帰り、街の片隅に「もう一つの小さな店」を作ることを。 【処方箋、作ります】 必要な人だけが辿り着ける、その店を。

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小説を読もう2026/02/13
  • 現在の作品心が折れたので、森の小さな店で処方箋を作ります