あらすじ
かつて世界を完全に制御しようとした魔導王アゼル・ヴァル=ローグ。
理を極めた末に世界を一度静止させてしまった彼は、崩壊の中心で命を失い――黒猫として平安の都に転生する。
藤原邸の庭で静かに暮らす日々の中、春雷とともに怪異が現れる。
「わたし、きれい?」と問いかける口裂け女。
理論上の最適解を知るはずの元魔導王よりも先に、一人の少女が答える。
「あなたは、悲しい顔をしているわ」
完全を求めて世界を止めた王は、未完成な言葉によって救われる。
これは、理を極めた者が“揺らぎ”を学び直す物語。