あらすじ

高校2年生の桐谷蒼太は、もう二度と誰にも自分の書いたものを見せないと決めていた。 中学3年の秋、信頼していた友人に見せた脚本が、クラス中に広まった。 自分の家族の痛みを書いた、内臓を出すような作品が、ただの「面白い話」として紹介された。 それ以来、蒼太は文芸部に所属しながらも、何も書けなくなった。 書けないのではない。書かないのだ。 そんなある日、転校生の立花ユイが現れる。 彼女は自分の痛みを躊躇なく晒し、平然と作品にする。 「書かないと、私が消えちゃうから」 ユイの言葉に揺らされ、蒼太は再び書き始める。 でも、書いたものを誰かに見せることは、また傷つくことを意味する。 紹介される恐怖。 笑われる恐怖。 痛みを軽く扱われる恐怖。 それでも、書かないことの方が、もっと怖い―― これは、痛みを抱えながら書くことを選んだ二人の、不完全な成長の物語。 救いはない。 解決もしない。 ただ、痛みを引き受けて、前に進む。 青春は、きらめくだけじゃない。 痛くて、苦しくて、それでも止まれない。 書くことの痛みと意味を問う、本格青春小説。

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カクヨム
カクヨム2026/02/13
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