あらすじ
カルフォルニア州モハーベ砂漠午前4時ターコイズブルーの空間に蛍光色の挑戦状が燃え上がった。
『なぞなぞ。世界の中心で叫ぶものは愛。では、世界の外側から中心に向かって叫ぶものはなーんだ?』
非侵襲的論理攻撃である。発信元は世界各地。発信元を分散すると出方の癖を読み取られ手の内を曝すリスクがあがる。
多層防御の一つとしてサイドチャンネル攻撃という手段がある。送信のタイミングや頻度を分析して出口を絞り込む。そして最低3か所の候補があればピタゴラスの定理を用いて本丸を特定できる。
諸悪の根源はカリブ海の英領タークス・カイコス諸島。オフショア金融企業。
すぐさまファイアウォールの中枢AIが現地警察に通報。
SWATチームが現場を急襲するまで引き伸ばし作戦を要請される。
門番機能《ゲートキーパー》は快諾した。百戦錬磨の500億語句《トークン》深層学習済タイプAI。
どれぐらいの凄腕かといえば、ゼロデイ攻撃に抗う最新のセキュリティパッチをホワイトハッカーのチームより速く開発できる。
だから、こんなの難問の内に入らない。
侵入者に対する答えはもちろん「愛は世界の叫び」だが、そのとき世界は「答えを知らない」ために泣いているのである。