あらすじ
商店街の片隅にある「迷子と落とし物 相談窓口」で働く唱と可保。ある日、落とし物箱から出てきた“鬼の角”が棚裏の隙間を開き、二人は提灯の廊下の先にある鬼の事務室へ迷い込む。そこには、眼鏡の鬼・赤門。彼の仕事は、人が置き去りにした物だけでなく、言いそびれた謝罪や飲み込んだ怒りまでを「未回収の感情」として保管することだった。
角は“付箋”のように持ち主を指し示し、唱と可保は町で起きる小さな困りごとを追う。ランドセルに貼りついた「おまえのせいだ」、勝手に鳴り続ける黒電話――原因はいつも、言えなかった一言。
冷静な唱は感情の形を整理し、助けるのが好きな可保は当事者の声を受け止める。鬼の赤門はぶつぶつ文句を言いながらも、なぜか毎回きっちり手を貸す。
笑えるやり取りの裏で、異空間の扉は少しずつ増え、巨大な角を持つ“総務”の影が迫る。二人は町の平穏と、鬼の残業を守れるのか――。