あらすじ
死に瀕した御霊は、「幽渚(はま)」を通って「各々の宇宙(マイ・バース)」へと還る。
けれど稀に、「共通する宇宙(シェアード・バース)」と接岸し、「妖霊(ゴースト)」と総称される霊的な異能を手に入れる者がいた。
生者の世界から追いやられた彼らを、「忌遁者(ランナウェイズ)」と呼ぶ――。
脳死状態の母から生まれた異質な出自を持つ青年・湊渚猛(みなぎさたける)は、地元の街・蒲浜市で暮らす平凡な――とは言い難いことも多々ある――人生を送っていた。
己が経験するオカルティックな日々を短編小説や、怪奇風エッセイにして地元出版社に寄稿し、アルバイトをし、定職につくか出版社から抱え込まれるのを待つか、そんな日常を送っている二十二歳。
あるとき彼は、異様な現場に出くわす。
それは、「具現化した死者」と戦う、一人の女。
彼女は世間から隠遁し、忌まわしき力を正しく使おうとする「忌遁者」の一人だった――。