あらすじ

江戸の時代、国内において蹂躙と暴虐を繰り返してきた妖怪、貪利天魔王は異国の魔術師によって封印されることとなった。  長い時を経て、現代に蘇った彼が眼にしたものは、オカルト研究部を名乗る四人の少女とその部室で、しかもその中には魔術師の血を引く子孫、伊能心咲もおり、魔王と彼女の間に主従関係を結ぶ魔術が発動してしまっていた。  これほど屈辱的なことはない!  憎悪を煮えたぎらせる魔王は、必ずや四人の少女――特に忌々しい魔術師の血族たる伊能心咲に残忍な復讐を果たすことを固く誓う。  これは、如何なる喜劇も悲劇も愉悦に見下ろしていた傲慢なる王様が、雑多な舞台に堕ちて初めて成る物語。    〈以下、第33回電撃小説大賞用あらすじ〉※ネタバレ注意  妖怪の王、貪利天魔王は魔術師、パトリツィア・パークマデンとの激闘の末、封印された。  2021年、パトリツィアの子孫である伊能心咲とその友人である御手洗胡桃、伊庭葉四、天城陽花の四人が所属する『オカルト研究部』の部室内で魔王は復活することとなる。  しかし、彼女達が行った儀式は、封印を解くためのものではなく、魔王と主従関係を結ぶための魔術だったのだ。  魔王はオカ研の面々の願いを叶えることになった。だが、途中で妖怪に襲われる。これ幸いと傍観に徹する魔王だったが、何故か心咲の苦しむ姿が頭に浮かんだ瞬間、意思とは無関係に助けてしまう。  これが、魔王が抱いた最初の違和感だった。  翌日、自分を観察する魔術師を追い払ったり、昼休みに葉四の願いを聞くきっかけで喧嘩したり、付き纏う心咲に突き放すような言葉を送り、魔王は今度こそ姿を消すが、その翌日、心咲が行方不明だという事実を告げられる。  魔王はずっと居着く違和感が拭えぬまま、それを隠すように非協力的な姿勢を誇示する。少女達は昨日魔王が追い払った魔術師、レイラ・マクファリーナと出会う。  レイラは心咲を誘拐した犯人、レオルスの名を告げる。彼はパトリツィアから引き継いだ心咲の魔力を使って何かを企んでいることを明かす。  レイラに先導されレオルスの隠れ蓑まで辿り着いたオカ研一行。レオルス達と戦闘し勝利を収めるも、レオルスの真の目的――心咲の魔力を利用した邪神の召喚まで防ぐことができず、生贄として飲み込まれる心咲を助けることができなかった。  そこに魔王が駆けつけ、邪神の頂上決戦が幕を開ける。レイラ達の協力もあり心咲の救出に成功、魔王は魔王たる片鱗を見せて邪神を圧倒し討伐するのだった。  そして、ついに魔術の効果が切れる。  しかし、代わりに自覚したのは、パトリツィアが過去から仕組んでいた魔術、卜falling。  この魔術の内容は、指定した対象を術式対象に意識させること。  つまり、今まで魔王が抱いていた違和感の正体は――  心咲に特別な感情を抱いている、という事実に他ならなかった。  その事実に、魔王は怒りよりも面白さが勝った。  この感情を楽しむためにも、魔王はオカ研に留まることを決めるのだった。

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カクヨム
カクヨム2026/02/12
  • 現在の作品悪辣魔王、舞踏に堕ちる