あらすじ

放課後のテニスコート。 打球音の合間に、将太は美術室の窓際に差す「光」を探してしまう。 そこにいるのは、キャンバスと向き合う二年生の間城先輩。 静謐な空気の中で筆を動かす彼女の姿は、テニスに明け暮れる将太にとって、眩しすぎるほどに鮮烈な憧れだった。 そんな将太の視線に、誰よりも早く気づいたのは菜奈だった。 プールで、真っ直ぐな「青」を切り裂いて泳ぐ彼女は、塩素の匂いに紛れるようにして、胸の奥に生じた小さな揺らぎをやり過ごす。 実家の和菓子屋『三日月堂』で幼馴染と過ごす時間は、これまで通り、何も変わらないはずだった。 けれど、将太の瞳が「光」を追うたびに、菜奈の真っ直ぐな心には、名前のつかない波紋が広がっていく。 走り続けるテニスコートの熱と、静まりかえった美術室の色彩。 そして、プールの水底で揺れる、誰にも言えない想い。 それぞれの「好き」が、静かに、けれど確かに、動き始める。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2026/02/08
  • 現在の作品一目惚れした光、隣で笑う青。僕たちの青春は、まだ混ざり合ったばかり。