あらすじ

女神の戯曲、それは幼い少女が描いた御伽噺。否、お話と評せる程の代物とは言い難い、ある種それは趣味の延長線上にある日記のような物であった。日記帳の始めの頁から終わりまで、その内容など定まってらず雑多、余白の所々に落書きのような絵が描かれていた。何処の世界にもあるような、子供が遊びで綴っていた、何の変哲もない唯の日記。それをまた、趣味である監察をしていた人物、いやそれは人ではない理を超越した存在が、その日記を興味本位に見ていた。 その世界レネイストでは〈神族〉と呼称される種族である。基本的に〈神族〉がいる所謂、神界という空間と〈人間族〉を含めた多種多様な、あらゆる種族が共存共栄をする下界とは、あまり関わる事はない。それは規則や法律に基づいたものではない、暗黙の了解のような定めである。しかしながら、その中には稀な存在、決められた規則になど気にも留めず、秩序を乱す個体がいる。種族は〈神族〉名をメア・レネイスト。その者は〈神族〉であり女神でありながらも、同族とは違った異質な存在。それは〈神族〉といった種族の枠組みの中での実力が並外れており、しかし何よりも他の個体とは性格が変わっていた。通常〈神族〉は下界の些事に興味関心は、まるで無い。だが、その〈神族〉メアは探求心と好奇心の塊、そう表せる個体であり、頻繁に下界を監察していた。そんなとき、メアは一人の少女に意識を向ける。少女は日課のように古びたノートに日記を書いており、その少女の行動や日記の内容が、メアは異様に気になり監察を続けた。 そのうち、メアの心に発見と不満が生まれる。少女が書いている日記の内容には、起承転結のない稚拙な御伽噺のような文章が書かれている事に気付き、その結末が悲惨なバッドエンドであるということ。何故、そういった内容の物語を少女が書いたのか、そこにメアが疑問を持つ事はなかったが、ある不満を胸中で吐露する。結末の悲惨さが物足りない、と。そんな感想を口にしたメアは、ある事を空想する。少女が描いた悲惨なバッドエンドの御伽噺を最高の物語に完成させられる。そう思い立ったメアは神界から下界に渡り、その物語の舞台となる世界レネイストを俯瞰。 世界の片隅に住まい『堕落の魂魄』という便利屋のようなものを生業としながらも、星を滅ぼせる程に強大な力を秘め、しかし支配や征服などといった思想には興味を持たず、怠惰なうえに利己的な〈悪魔族〉の執事”堕落”と、その主人であり『堕落の魂魄』の首魁で、呪われた一族の血を引いた末裔、災厄を導き起こす令嬢”彼岸”に、女神メアは目を向ける。それが『女神の戯曲』の開幕であり、主役となる存在の選定、悲惨な結末に繋がる道筋であった。

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カクヨム
カクヨム2026/02/11
  • 現在の作品女神の戯曲~星を滅ぼせる最凶の悪魔の執事と、呪われた運命にある災厄の令嬢は、女神に創られた偽りの世界で踊る~