あらすじ
「お前とは子を成すなと命じられている」
敗戦の責任を背負わされた「戦犯貴族」アルロウ家の娘、アンリエット。彼女に与えられたのは、辺境の猛将フェルディナンド・エドマンとの「白い結婚」という名の檻だった。
家族の命を人質に取られ、冷遇される日々。窓の外に自由を夢見るだけだったアンリエットだが、ある日、領地に未曾有の危機が訪れる。
夫が戦場へ消え、混乱に陥る屋敷。逃げ出そうとする使用人、機を伺う略奪者、そして彼女を嘲笑う王都の貴族たち。
「家を守ってください。私も、ここを守ります」
守られるだけの「お飾り」であることを辞めたとき、アンリエットの真の戦いが始まる。家宝を焼くと宣言して使用人を統制し、夜会では毅然と敵を黙らせる。その気高き姿は、やがて「荒野の狐」と呼ばれた夫の心をも変えていき――。
これは、すべてを奪われた令嬢が、自分の居場所を勝ち取るまでの逆襲の物語。