あらすじ
地球の中心にはマナタイトと呼ばれる鉱物が存在し、
そこから溢れ出す魔素と魔物が、人類の脅威となっていた。
魔法とは、空気中の魔素を利用し、
擬似的にマナタイトの性質を再現する技術――
そしてそれを扱う者たちは、英雄として称えられている。
主人公・遥真は中学生の頃、大地震で被害を受けた街へ寄付を行った。
だが、その善意は中抜きされ、救われるはずの人々には届かなかった。
「誰かに任せるだけでは、人は救えない」
そう考えた彼は、直接人を助ける力を求め、
魔術学園へと進学する。
学園では、国が捕獲した魔物を用いた実践訓練が行われ、
生徒たちは“未来の英雄”として育てられていた。
しかし、その裏でひとつの真実が隠されている。
――強くなりすぎた魔術師は、魔物になる。
遥真は、成績優秀で人と距離を置く少女・瑠璃と出会い、次第に親しくなっていく中で、
彼女の魔物化がすでに進行していることを知る。
国も、学園も、その事実を知りながら黙殺していた。
やがて学年が進み、魔物の発生源である“大穴”付近での戦闘訓練が始まる頃、遥真自身にも異変が現れる。
才能があるがゆえに、彼の魔物化は、誰よりも速く、深く進行していった。
そんな中、迷惑配信者によって片腕が魔物へと変わった姿が世界に晒される。
英雄だった少年は、一瞬で忌避の対象となった。
それでも遥真は、戦うことをやめない。
過去のトラウマと、救えなかった人々の記憶が、彼を前へと突き動かす。
人を守るために、人であることを捨てた少年は、
世界の矛盾そのものに、決着をつけようとする――。