あらすじ
戦略シミュレーション『オーバーロード・サーガ』。
その世界に転生した元プロ棋士の俺が目覚めた先は――
チュートリアルで滅亡する最弱国家ヴェーレン公国の、無能宰相リヒトだった。
半年後、大陸最強のガルディア帝国が攻めてくる。
国力は最低。軍は寡兵。魔法の才能はゼロ。
原作通りなら、俺は侵攻初日に処刑される。
「……詰んでる。飛車角落ちどころじゃない」
だが、俺にはひとつだけ武器がある。
固有スキル<先読み(プログノーシス)>。
相手の次の一手が、三手先まで"盤面"として見える目。
そしてプロ棋士として叩き込まれた、たったひとつの信念。
――駒が少ない局面ほど、一手の価値は重くなる。
外交で同盟を組み替え、謀略で大国の内側を崩し、
盤外戦術で勇者すら手駒に変える。
剣を振れない宰相が、頭脳だけで大陸の勢力図を塗り替える。
ただ、ひとつだけ誤算があった。
帝国から送り込まれたスパイ姫が、いつの間にか俺の隣に居座り、
「あなたの駒でいい。だから捨て駒にしないで」と囁き始めたこと。
そして忠臣の騎士団長が、俺の作戦計画を睨みつけて言ったこと。
「――この計画に、あなたの生存が含まれていないのは何故ですか」
魔法も剣もない。あるのは、盤面を読む目と、三手先の覚悟だけ。
最弱国の宰相が、大陸すべてを詰ませる謀略戦が、始まる。