あらすじ
転生した先は、好きだったアダルトゲームの世界。
けれど俺の役は最悪だ。
ヒロインに襲い掛かり、見事に返り討ちにされ、最後は迷宮の奥で魔物に囲まれて――
「死にたくない、助けてくれ!」と喚きながら食われて終わる三流悪役。
そんなダサい最期、絶対にごめんだ。
――いや、違うな。
俺がどうなるかは正直どうでもいい。
ただ、本来死ぬはずだったヒロインたちが笑って生きて帰れる未来がほしい。
迷宮の最前線で戦うのは原作主人公と、強くてまぶしい彼女たち。
なら俺は、彼らが万全の状態で何の気兼ねも無く戦えるようにサポートしよう。
英雄は任せた。
俺は死亡フラグを折り続けてやる。
危険な事も、痛い役目も、全部こっちが引き受けてやる。
俺一人が傷つくだけで済むなら、それでいい。
――そう思っていただけなのに。
「わたしにとって、あなたが全てなんです。あなたのいない世界なんて……」
「君がいなくなったら、ボク本当に壊れるから。だから、いなくならないでね?」
「一人で抱え込むの、あなたの悪い癖よ? もっと、わたしを頼ってよ……」
「頼む。もう少し自分を大切にしてくれ。君がいなければ、わたしは……」
「どうか、どうか……お傍を離れないでください……」
……なぜか全員、俺を離してくれない。
これは、迷宮で惨めに死ぬはずだった悪役が自分の命を後回しにして、少女たちの未来だけを守り続ける物語。
そして――
救われた少女たちが、彼を絶対に手放さなくなる物語。