あらすじ

剣と魔法が息づく世界。 人は誰しも魔力を持つが、それは灯りをともす、風を起こす――そんなささやかな奇跡に過ぎない。 実戦級の魔法を扱える者だけが“冒険者”となり、魔獣を狩り、名と富を掴む。 だが王国の北東に、誰も攻略できぬ禁域がある。 強大な魔獣が跋扈し、莫大な富を生む魔鉱石が眠る森。 王国は幾度も討伐隊を送り、裏社会は暗殺者を差し向けた ――だが、誰一人として生還しなかった。 その森の奥に棲むのは、 静止の魔女・アリシア 腰まで届く艶やかな黒髪、外見は十八ほどの少女。 しかしその目には悠久の刻を生きたモノの持つ仄暗い闇をたたえていた。 彼女の魔法は“静止”。 水を止めて氷とし、鼓動を止めて命を奪い、 刹那の時間すら凍らせる。 かつて迫害され、人を憎むようになった彼女は、 森と魔獣を従え、侵入者を容赦なく排除してきた。 一方―― 戦争によって家族と故郷を失った少年は、裏社会に拾われる。 名は、アベル。彼の非凡な才能を見出した組織は彼を最強の暗殺者として鍛え上げた。 加速の魔法と暗器を操り、流れを歪め、常識を超える速度で命を刈る暗殺者 感情を殺す訓練を施され、完璧な兵器へと仕上げられた。 だが――強くなりすぎた。 組織は彼を恐れ、最後の任務を与える。 「静止の魔女を殺せ」 それは同時に、 魔女諸共アベルを消すための罠でもあった。 止める魔女。 加速する暗殺者。 三百年を孤独に生きる少女と、未来を奪われた男。 禁断の森で対峙した瞬間、世界の均衡が揺らぐ。 静止は、加速を止められるのか。 加速は、止まった時間を超えられるのか。 王国の欲望、裏社会の陰謀、魔女との邂逅、世界の不条理に翻弄されるアベルはなにを選択し遂行するのか... これは―― 止まった時からの解放、魔女が“終わり”を求める物語。 そして、 全てを奪われてきた暗殺者が“未来”を選ぶ物語。

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小説を読もう2026/02/11
  • 現在の作品静止の魔女アリシア