あらすじ
第一作
『未完の神器Ⅰ:天孫コード』
文化財修復士・鷺宮直人は、京都の寺で古文書の修復中に“二重和紙”構造の違和感に気づく。透かしの微細線をスマホと偏光フィルムで解析すると、それは地図ではなく“方位補正パターン”であることが判明する。宮内庁書陵部の研究官・九条真琴、AI解析を担う早川悠斗とともに調査を進めると、全国の城石垣に刻まれた家紋風の刻印が12地点で一致し、その欠け角が回転鍵になっていると分かる。
初版本の折り癖を再現して立体化すると、富士山を中心とする地形モデルが浮かび上がる。さらに国会議事堂中央ホールの床模様に補正値を重ねると星図に変換され、皇居地下の古図と一致する。国家中枢が“鍵穴”である可能性が濃厚になる。
だが内閣情報調査室の真壁透が介入し、「それを暴けば国家は壊れる」と警告する。直人は真実を追い、真琴は国家の安定を優先しようとし、二人の間に亀裂が生まれる。
春分前夜、皇居地下で光と溝の一致を確認するが、封印された金庫の中から現れたのは“空白の和紙”。何も書かれていない。
真壁は告げる。「それが封印だ」
国家は何かを守るために、巨大な暗号装置を持っている。
だが核心はまだ明かされない。