あらすじ
「来世は、最推しを愛でるスパハニの妻として生かさせてください!」
ブラック企業で働く冴えないOL社員、氷熊菜々子の死に際の願いはまさに非現実的なものであった。
推しに捧げるための十年間の労働の応酬は、無慈悲にも『急性ストレス症状による過労死』。
現世において、彼女の人生はとてつもなく不幸なルートで終焉を迎える。
―――――ところが。
深い微睡みのなか、白い天使に導かれるようにして目を開けた先には、
大好きなファンタジー小説に登場する、絢爛豪華な部屋の天井。
優雅に鳴り響くオルゴールワルツに、喜びに満ち溢れた美しい母親とハンサムな父親の顔。
「まぁアリイシャ、なんて可愛らしい子なのかしら」
「綿雲にも勝る極上のふわふわほっぺ……お父さん泣いちゃう!かわちいよ~」
なんと驚くべきことに、私は第二の人生を、異世界ファンタジーでやり直すことになったようだった。
王国で伝説の一つとして謳われる『千年に一度の性転換体質保持者』に誕生した王女アリイシャ。
産まれは紛れもなく女性だが、成長するにつれて自由自在に性別を操ることができるヒロイン。
特殊な体質をもっていることに加えて、氷の精霊から美しい加護をも授けられる。
原作通りの完璧なシナリオに、不幸の人生に終止符が打たれる刻が来る―――――!
「呪い忌み嫌われる旦那様、今度は私こそがあなたを愛し守り抜きますわ」
原作では望まぬ破滅ルートを辿った最愛の推し。
今世こそは、誰もが羨むほどの愛に満ち溢れたんばかりに、孤独な旦那様を甘々に溺愛します!