あらすじ
宗教法人を巡る不透明な資金の流れ。
寄付、土地取得、政治との距離――
表向きは清廉に見える教団の内側で、
帳簿に残らない数字が静かに積み上がっていく。
刑事・瑠惺は、ある経理担当者の証言をきっかけに、
教団と周辺人物の関係を追い始める。
だが調査を進めるほど、
事件は「違法かどうか」ではなく、
「なぜ沈黙が選ばれてきたのか」という問いへと姿を変えていく。
誰が嘘をついているのか。
誰が何も語らないのか。
そして、記録されなかった事実とは何なのか。
これは、
正義が声を失っていく過程を描いた物語であり、
沈黙がどのように作られるのかを追うミステリである。